FC2ブログ
写真、短歌、日々の思ったこと。
2010年09月26日 (日) | 編集 |
akunin.jpg感想を書くのが遅くなりましたが、初日に観てきました。
観終ったとき、悲しくて、だけどどこか胸があたたかいような、でもやっぱり悲しくて切ない気持ちになりました。

とても良い映画だったので、原作はどうなんだろう?と思っていたら、はっぱさんが原作のほうを先に読んでいました。
その感想を読んで、これは原作も読まねば!と思い、さっそく読みました。
この間の3連休は旅行だったのですが、旅行中も分厚い本を持ち運んで、隙あらば読んでいたってくらい面白かったです。
灯台萌えで方言萌えな私にはたまらない、なんつーかもう、がばい魅力ある映画と小説やったとー!w
(以下、若干のネタバレを含んでいるのでお気をつけ下さい)

映画はやはり時間が限られているので、主要部分だけを抜き取って分かりやすく作られていて、その分かりやすさの奥にある深い部分は観る人の感性に委ねられています。
私はいつも、自分が映画から感じ取ったことを確認するために原作を読むのかもしれません。
映画は悲しく、原作はもっと悲しくて苦しくなりました。
「悪人」という物語の中には、悪人なんていなくて、弱い人がたくさんいただけでした。
きっと現実の世界もそうなんだろうと思います。

登場人物の中で一番優しくて強い人は、祐一だった気がします。
けれども祐一にも弱い部分はあって、佳乃はそんな祐一の一番弱い所、まだ癒えていないような傷をわし掴みにしてしまったから、殺されたのだと思います。
ラスト、光代が灯台に向かって必死に戻ってくる姿を見たときに、裕一は最後の強さを手に入れたような気がします。
強さを手に入れた祐一が最後に下した決断、とても悲しかったです。

被害者の父の佳男が、「今の世の中、大切な人もおらん人間が多すぎったい」と言っていました。
うん、だけど自分に大切な人がいてもそれだけじゃダメで、どんな人であろうと全ての人に、大切な人やその人を大切に思っている人がいることも、いつも心に置いておかないといけないって思いました。

その人が嬉しそうな顔をするだけで自分も幸せな気持ちになれる人が大切な人だというのなら、私にも大切な人は何人かいます。
だけど私にはその大切な人を大切にする方法が分かりません。
自分の考えているやり方が、その人の幸せではないかも知れないからです。
祐一が選んだラストは、本当にその人を幸せにする方法だったのだろうか?
答えのない世界で生きていくのは難しいです。

映画「悪人」公式サイト
スポンサーサイト