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2007年11月24日 (土) | 編集 |
 「負け犬以下の
  ささやかな楽しみ」

 柿川 鮎子
 河出書房新社
 2004年9月18日発行
 1260円


半分までは楽しく読めた。
最初の一文の引用がこう。
三十代、未婚、子供なしの女性が負け犬ならば、四十代、離婚、出戻り、子供なしの私はその負け犬の範疇からも外れた負け犬『以下』。」
石原慎太郎氏の話に、「女性が生殖能力を失っても生きてるってのは無駄で罪です。」という言葉が出てきて、それに対して作者は、「子供を産めなかった私は『人類』どころか『地球』にも悪しき弊害だった。地球よ、ごめんなさい。出来ることなら地球に詫び状を入れたい。」と言う。
女性は、お酒もタバコも40歳を過ぎてからのほうが似合うと言う作者はまた、おばさんの空き瓶は多くが焼酎か日本酒であると言い、タバコも指を丸くして握るように持ったほうが様になると言う。

私は作者が、「ハイハイ、私は負け犬以下ですよー、でも楽しむもんね、ごめ~んwww」って開き直って楽しんでいるのかと思っていた。
半分を読んだまでは。
でも、読み進むにつれ、何か違っているような気になってきた。

半分を終わり、読み進むにつれ、この人は、世の中では負け犬以下とされる自分の立ち位置を、本当は否定したいのに出来なくて、肯定しているフリをしているだけじゃないのかな、と思うようになった。
どうしてそう感じるのかは、感覚的なことなので上手く説明が出来ないんだけれど、特にそう思ったのは花についての話を読んだ時。

美しく枯れていく花が好きだと言う作者は、チューリップの老いの姿は醜いと言う。
若い頃、イケイケで元気だった女性が、中年、初老になってもまだ、ミニスカにブーツを履いているみたいで醜いのだとか。
そして、いつまでも美しいままのカサブランカも否定。
他の花が枯れ始めても存在感を保ち続けるカサブランカは、いつまでも美しい宝塚女優のようで、死ぬまで第一線にいたいという上昇志向が強く見え、枯れた姿を見せないところがずるく思えて、「私たちの時代じゃなくなったわ。綺麗に引きましょうね。」とある時点で捨ててしまうのだそう。

私は、作者はきっと、世間体や立場などについて、人一倍気にする人なのだろうと想像した。
負け犬以下ということを、冗談ではなく本当の本当に気にしていて、自分からそれを肯定しているフリをすることで、潔く見せたいという、本能からくる計算のようなものを感じた。
自らを負け犬以下と言ってる割には、人や物事に対する評価が厳しく否定も多い、どうも上からものを見ている感じで、負け犬以下になりきってない。
それって枯れた姿を見せないズルさと変わらない気がする。
どっちも潔くなくて人間らしいし、否定することじゃないと思うんだけど。

○○才になったからって結婚しなければいけないということはない。
四十代、離婚、出戻り、子供なしだからって人生が終わってるわけじゃなく、負け犬、負け犬以下だからといって、大人しくしてなきゃならないっていう決まりもない。
確かに若い頃のほうが肌もピチピチしているし、体の無理もきく。
けれど、考え方の柔軟性や可能性、楽しく生きるかどうかっていうのは、年じゃないし、立場でも決まらない。
若い頃の方が色んなことに気づかず、もったいないことをしてたりする。
40代くらいで自分の枠を決定してしまうなんて、後が長いのにどうすんの?
負け犬以下なら負け犬以下で良いけれど、ささやかではなく、大いに楽しめばよいやんって思う。

「私たちの時代じゃなくなったわ。綺麗に引きましょうね。」という言葉は、大嫌いだ(笑)
人の価値観を押し付けられて傷ついているくせに、自分の価値観を人に押し付けるのは良くないと作者に言いたい。
引き際が見苦しくても、ある意味それは美しいと私は思う。

そうそう、ひとつ、この本で目から鱗の言葉があった。
「心の存在はともかくも、最初に形をつくってしまい、その上で中身を詰め込む、というやり方もある。」という言葉だ。
ややこしい事を考えずに、とりあえず結婚して子供を作り、あとで愛とか何とか、ええと、絆とかw?そういうのを詰め込んでいくという方法だ。
確かに形の前に精神面を整えようとすると、出足が鈍って気がつくと大幅に出遅れてたりする。
なるー・・・・・メモメモやな、って思った。
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ジャンル:本・雑誌
コメント
この記事へのコメント
内容キツイなーと思っても最後まで読むんだね。

>最初に形をつくってしまい、その上で中身を詰め込む、というやり方もある。

これって、お見合い結婚がそうでしょ? 試してみては?
2007/11/26(Mon) 01:24 | URL  | Rav #-[ 編集]
>「心の存在はともかくも、最初に形をつくってしまい、その上で中身を詰め込む、というやり方もある。」

一理ありますが、ただ後で形がどうしても中身に合わないと分かった場合は、悲惨なことになりそうです。
2007/11/26(Mon) 10:55 | URL  | leprechaun #-[ 編集]
■Ravさん
普段はつまらなかったら読みません。
この本は途中から、この人ホントはどう思ってるの?ってその疑問を解明する為だけに読み続けたような感じです。
記事に書いた感想は私が感じたことなので、作者の本心とは違う誤解があるかもしれないです。

>これって、お見合い結婚がそうでしょ? 試してみては?

作者は結婚はしていたので、たぶん子供のことを言ってるんじゃないかと思います。
子供を育てる準備というか、心構えというか、そういうのがなくても取り合えず作っちゃって、子をカスガイにして学校行事や家族旅行なんかして体裁を整えてるうちに、夫婦仲もそれなりに上手く行ったかも知れないのに、みたいな考えな気がします。

お見合いも、言われてみれば”形から”の代表ですね。
でも私、結婚には興味がないのです。
前は子供にも興味がなかったので良かったのですが、最近子供を育ててみたいと思うようになって困っています。
話せば長くなるので思いっきり割愛しますが、今、人工受精に興味を持っていますw
2007/11/26(Mon) 16:52 | URL  | のー #ftpII.ds[ 編集]
■lepさん
>後で形がどうしても中身に合わないと分かった場合は、悲惨

でしょうね・・・目に見えるようです。(ガクブル・・・)

この間、ベトナム人の友人の家に泊まりに行った時、国籍はバングラディッシュ人だけど実はインド人で、キノコから薬を作る研究をしている人にも会いました。
その人が言うには、インド人は一生に一人としか結婚しないそうで、連合いが死んでしまっても、再婚するとちょっと白い目で見られたりするそうです。
それを聞いて、私は、「好きじゃなくなったらどうするの?」って訊いてみました。
答えは、「好きじゃなくなっても離婚せずにずっと連れ添わなければならない」ということでした。

好きじゃなくなっても、嫌いになったとしても、絶対に最後まで連れ添わなければならなかったら、もしかしたら愛着というかそういうものが詰まったりするのかも・・・などと思いましたが、よく分かりません。
どんな道をとっても、賭けみたいなもんですね。
2007/11/26(Mon) 17:06 | URL  | のー #ftpII.ds[ 編集]
 枯れていくチューリップも、いつまでも美しいカサブランカもキレイじゃんねぇ!!!。
 外見だけで判断して、弱いお花の気持ちを知らない気がする(お花が作者とは違うタイプの女の子に感じてか弱い女の子が見えた気がしたの)。
 枯れ初めて花びらがとれてしまいそうなチューリップって美しいと凄く思います。よくKakikakiするけど、その一生懸命さがとってもすてき。作者は変な人だ。
 
2007/11/27(Tue) 21:46 | URL  | にこまる #-[ 編集]
>インド人は一生に一人としか結婚しないそうで

昭和初期までは日本もこれに近かったかもね。それは主に女性がガマンしてたわけで、インドは今も男尊女卑が根強くて、夫の家庭内暴力なども耳にしますよ。(某女性支援ボランティア団体での情報)
2007/11/28(Wed) 02:34 | URL  | Rav #-[ 編集]
■にこたん
>作者は変な人だ。

変に見えるのは、たぶんつくろってるというか、装ってるからと思うんだよね。
想像でものを言っちゃいけないのかもだけど、自ブログだから言っちゃうと、
「負け犬」っていう言葉が流行ってて、本を売る為に題名に入れたと思うんだよね。
負け犬以下に落ちきれてない、引きましょうねなんて言ってるところが却って潔くない気がします。

あー毒々しいわ~、私w
2007/11/28(Wed) 14:28 | URL  | のー #ftpII.ds[ 編集]
■Ravさん
>それは主に女性がガマンしてたわけで、

そうかも知れないですね。
私が話したバングラディシュ在住インド人(w?)は男性で、男性は働いて家族を養うもの、女性は家にいて家族を守るものなんていってました。

そうじゃない今、共働きしている日本の家庭だって、収入dの差で家事の負担を決めたりしていると、どっちがどれだけ大変かになって、お互いを責めて上手くいかなくなる話を良く聞きますが、封建的な家庭は、働いてお金を稼ぐほうが偉いという考えがもっともっと強いんでしょうね。

DILIさんが永遠の記事のコメントで書いてた、相手を尊敬する気持ちって大事だなって思います。
でもそれは”お互いに”でないと成り立たないので、どちらかが”稼いでやってる”、”してやってる”になると、じわじわと崩れそうで難しいとは思います。

>夫の家庭内暴力なども耳にしますよ。

倍にして返すような女性はまだいないのかなw
2007/11/28(Wed) 14:40 | URL  | のー #ftpII.ds[ 編集]
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